森を広げる動物たち
野鳥と植物の意外な関係
野鳥が森をつくるとは、いったいどういうことなのでしょうか?
多くの野鳥は、木の実を丸呑みにして消化し、栄養をとっています。しかし硬い種は消化できないので、フンと一緒に排出されます。
野鳥は飛んで移動するので、フンを色々な場所に落とします。フンと一緒に地面へ落ちた種は、やがて芽を出します。
このように、種子散布されるものを「周食型散布」といいます。
植物の中には、鳥に食べられ消化されることで芽が出やすくなる種類もあります。
また、ヤマガラやカケスなどの野鳥は、エサの少ない冬を乗り切るため、リスやネズミたちと同じようにドングリなどの木の実を土の中や木の隙間に埋め、隠しておきます。
ですが、隠した実は食べ残されたり忘れられることもあります。
そうした種から芽が出て、生長します。このようにして種子散布されるものを「貯食型散布」といいます。
このように野鳥たちは種の散布を通じて森を育てるのにとても役に立っています。
庭などに植えた覚えのない木が生えている、公園の植え込みから違う種類の木が生えているなどはもしかしたら野鳥による種子散布のおかげかもしれません。
凄い!
鳥たちは知らないうちに役に立っているんだね!
ドングリの食べ方
殻の固いドングリをどうやって食べるの?!
ヤマガラは森や林に住んでいます。
おなかがオレンジの小鳥です。
つがいで暮らし、春に卵を産みます。
春から夏にかけてはヤマガラのエサはイモムシやクモなどです。
エサを探して木々の間を飛び回ります。
秋になると、スダジイ、ドングリなどを食べます。
ヤマガラは固いドングリをどうやって食べるのでしょう。
①木の枝にとまりドングリをおさえる。
②くちばしでドングリをトントンと叩く。
③繰り返す
④食べる!
私はリスだよ。
リスもどんぐりを食べるの!
私だったら手足で押さえて器用に口に前歯でむくよ!
前歯は固いよ~。
僕食べない。
シカだもん。草だよ。
ちなみに秋、冬は木の皮を食べる。(シカ)
案外美味しい。
おっちょこちょいが森を広げる
リスは、外敵にねらわれるとジグザグに走って相手をまくという、すばしっこくて賢い動物です。しかしその一方でおっちょこちょいな一面もある。
リスは、冬が近くなるとどんぐりを巣穴に運んだり、習性があります。
もちろん、エサがなくなる冬に備えることが1番の理由です。
しかしその他にも、大好きなどんぐりをほかのリスや鳥などにとられないためという意味もあります。単純に今は食べずにあとで食べたいという理由もあります。
1ヶ所に集めて隠すのではなく、あちこちに散らばらせて隠すのは、ほかのリスに見つかったり、見つかってもすべてはなくならないようにという理由でしょう。
この行動は「貯食」とよばれており、エサが欲しいときに、穴からどんぐりを掘り出して食べるためのストックです。
どんぐりをたくさんとれる秋には、1日のほとんどをどんぐり隠しに費やすのです。
しかし、あまりにもあちこちにたくさん隠すので、忘れられてしまうドングリもあります。
そのドングリはやがて芽を出し成長します。
リスのおっちょこちょいのおかげで森ができるのです!
秋に必死に集めたどんぐりの隠し場所を忘れてしまうなんて……。
なんだか悲惨……。
リスでーす。
秋になとドングリ集めるよ!
だけどすぐ忘れちゃう……。
隠し場所をメモしてみたけどメモをなくしちゃった。
メモを……。
メモを置いた場所の地図も作らないとね。
でも、一ヵ所に集めないで、いろんなところに埋めるなんてかなり、きちょうめんだね。
リスにとっては悲惨だけど森にはいいね!
リス凄い”!!
シカはそういうことしない……。
シカはその場にある草をただただ食べるだけだよね。
冬だって木の皮をあるから食べるだけだし……。
美味しくなくても食べるんじゃない?
おいおい!
僕、シカなんですけど!