まるまる新聞　　　24号

ちぎれても手足が生えてくる

ウーパール―パーと人の手

ウーパールーパーは、両生綱有尾目トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属に分類される有尾類です。正式名称は「アホロートル」で、「メキシコサラマンダー」とも呼ばれています。

メキシコが原産です。日本にいるサンショウウオなどとおなじ仲間です。

両生類のほとんどは、幼生のうちはエラ呼吸ですが、成長すると外エラがなくなり、肺呼吸へと切り替わります。

ウーパールーパーは幼生のまま成長する幼形成熟です。

つまり外エラを残したまま成長するのです。

ウーパールーパーのフサフサとした外エラは、幼体のまま成長した証なのです。

ウーパールーパーの手は人間の手よりも小さいですが形は似ています。

しかし、大きな違いが一つあります。それは、ちぎれてもまた生えてくるという点です。

例えば、人間はすり傷、切り傷の時に、傷にばんそうこうをはります。

しばらくすると、かさぶたができて、傷はきれいに治ります。

ですが、ちぎれてしまった手や足はばんそうこうをはっても治すことはできません。

飼育しているウーパールーパーは、パニックを起こして水槽や岩などに激突したり、他の個体に噛みつかれたりして、ケガをしてしまいます。

ところが、ウーパールーパーはすり傷はもちろん、ちぎれた手足も治すことができるのです！

治す期間はなんと…40日！　すごいことです。

びっくり再生の謎

どうして手足がまた生えてくるのか、これは200年ほど前からの謎でした。

ですが、最近ウーパールーパーの手足を元通りにする成分が発見されました。

この成分はいわば、「手足がまた生える薬」です。

ちょっと想像してみましょう。

ばんそうこうにこの薬をぬり、ケガをしたウーパールーパーの手足にはる。

すると、驚いたことにまた手足が生えてきます。

この薬の発見により、200年前からの謎が明らかにされようとしています。

人類の医学にも役立つようになるのかもしれません。